師範代ブログ 知って得する!「減価償却費」

2018-01-27

不動産投資をする上で必ず出る言葉が「減価償却費」です。減価償却費は毎年の損益計算で経費にできるという嬉しい経費です。
簡単に言うと「建物の劣化代」です、そのため土地は対象外です。
建物には耐用年数があります。構造ごとに耐用年数が決められています。構造別の耐用年数は「鉄筋コンクリート(RC)47年」「重量鉄骨34年」「軽量鉄骨27年」「木造22年」です。
この耐用年数に応じて償却率も決められています。…
例えば1億円の新築の重鉄骨造と木造の減価償却費を計算してみます。
重量鉄骨:1億円×償却率0.030(耐用年数34年)=減価償却費300万円/年
木造:1億円×償却率0.046(耐用年数22年)=減価償却費460万円/年
木造は重鉄骨造1.5倍以上の減価償却費を年間に計上できますが、気を付けないといけないのは計上できる期間です。重鉄骨造だと300万円の減価償却費を34年間計上できますが、木造だと460万円の減価償却費を22年間しか計上できません。つまり耐用年数が短い建物ほど、年間の減価償却費が多くなって利益を減らす事が可能です。その分税金が減って最終的に税引き後キャッシュフローは多くなることになるんですね。でも反対にキャッシュフローに大きく影響を与える借入金の借入期間は、建物の耐用年数が短いものほど、それに比例して短くなり月々の返済額が大きくなってキャッシュフローが残らなくなって行くので、借入期間と減価償却費のバランスがとっても重要になります。では中古物件を購入した場合はどうでしょうか?中古の場合は、その建物の使用可能期間を見積もることによって耐用年数を決めます。しかし、それを見積もることは中々難しいので、簡便法という方法使用して計算します。
「築年数が耐用年数を超えている場合」耐用年数=法定耐用年数×20%
【例】木造の建物(耐用年数22年)で耐用年数を超えている場合
木造の耐用年数22年×20%=4年
「築年数が耐用年数の一部を経過している場合」
耐用年数=(耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
【例】RCの建物(耐用年数47年)で10年経っている場合の耐用年数
37年(RCの耐用年数47年-築年数10年)+2年(築年数10年×20%)=39年
例えば、1億円の土地付き築年数10年のRC物件を購入したとして計算します。
RCで築10年ですので、耐用年数は39年です。
耐用年数39年の償却率は0.026です。
減価償却費の適応は建物に対してなので1億円を土地と建物に分ける必要があります。
この土地と建物を分ける方法はいくつかあります。先ほどの1億円の物件を例にして分けてみましょう。
【例】売買契約書に土地と建物の金額が記載されている場合
例えば、土地5千万円、建物5千万円と売買契約書に金額が記載されている場合は、記載された金額になります。したがって建物の金額は5千万円で、減価償却費は次のようになります。建物5千万円×償却率0.026(耐用年数39年)=130万円/年
【例】売買契約書に土地と建物の金額が記載されていない場合
売買契約書に土地と建物の金額を分けて記載されていない場合は、方法はいくつかありますが、代表的なのが、固定資産税評価額を使って計算する方法です。固定資産税評価額が土地建物7,000万円で、その内訳が土地2,800万円、建物4,200万円とすると比率は4:6に成り、減価償却費は次のようになります。
土地建物1億円 4:6=土地4,000万円:建物の金額6,000万円
減価償却費=建物6,000万円×償却率0.026(耐用年数39年)=156万円/年
中古物件の場合は、土地と建物の金額比率をいくらにするかで減価償却費が変わるので事前にコントロールすることが可能になるのです。また、昨今のタワーマンションブームも価格の割に土地の持ち分が少ないという理由が要因かもしれません。このように不動産投資は物件を選ぶ段階から、知識を付けておくことが重要なのです。

 
   鉄筋コンクリート(RC)47年
 
 軽量鉄骨27年・木造22年

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